確かに私は公募推薦で合格したんだけど・・実はそのための対策って全然していないの。

北里の薬学部の公募って、３科目のがっつり受験でね。普通は小論文とか面接だと思うんだけど。

正確に言うと、一次試験が英語、数学、化学で、二次試験が面接だったんだけど、面接は受かってから対策したので、ほとんど公募に向けた勉強はしていないの。

それもなかったの。一般受験と比べると、面接があったのと、試験の時期が早い位の違いしかないのよ。

落ちても無駄な勉強はしなくてすむので、薬学部志望なら受験する価値はあるんじゃないかな。

北里の公募はチャンスを増やすために受験したの。ダメならもう一度一般で受けようと思っていたので、ずっと一般に向けた受験勉強をしていたの。

多磨ヨビに入った位だから、高校２年の２月かな。東京薬科の指定校も考えていたのでどんな風に受験したらいいか、水嶋先生に相談したの。

私は、薬局ではなく、病院で働きたいと思っていたので、そのことを伝えたら、指定校で東京薬科に行くより北里の方が良いんじゃないかという話になってね。

北里は大学病院があるけど、東京薬科にはないから。薬科大学だからね。

東京薬科のＡＯも考えたんだけど、薬科大学だしね。私の成績からすると、東京薬科は一般受験でも大丈夫なんじゃないかという話になったので、第一志望は北里にしたの。

取っていたよ。私は与えられないとやらないタイプなので、勉強の内容や時間の目安を教えてもらったことで、しっかり勉強できるようになったの。

「学習コーチング」は２週間に1度、学習計画と振り返りをするのが基本なんだけど、勉強習慣ができたことで勉強量も増えたのは大きかったな。

私は、勉強が進むときと進まないときの差が激しいタイプだし、教科による偏りもできやすかったので、先生が毎回、うまく調節して計画してくれたの。

問題集のやり方も教えてもらったのよ。問題集によってやり方も違っていて、この問題集は２周を一気にやった方がいいとか、これはただひたすら順番にとか。

問題集も自分に合うものを選ばせてくれたの。私には姉がいて、問題集も家にあったんだけど、姉が使っていたものは私に合わなくて。

姉は文章を読んで理解するタイプだったんだけど、私は問題を解きながら覚えるタイプだったの。だから家にあった問題集を使うことはなかったのよ。

決まった問題集を使うんじゃなくて、選ばせてくれたのは大きかったと思うな。

花子ちゃん、久しぶりだね。受験勉強の進み具合はどう？

わかるよー。私もいくら勉強しても模試の成績が上がらなかったの。全部不合格だったらどうしようとか、受験に向いてないのかな、とか、考え出したら止まらなくなっちゃって、ものすごく辛かったな。

私は本番に弱いタイプで、模試では一度も結果を出していないの。緊張して頭が真っ白になっちゃって。東京薬科は最後の模試もD判定で、もうダメだと思ったの。

多磨ヨビの高橋先生の存在が大きかったかな。勉強だけでなく、メンタル面でもすごく助けられたのよ。

私、高橋先生が大好きで、毎日のように質問しに行ってたの。高橋先生、高橋先生って、それはもう、ストーカーのようにっ！！

とにかく何かあると、高橋先生に相談していたの。実は私、東京薬科は、一般試験の方は不合格で、センター・個別併用試験の方で合格したのよ。

そうなの。東京薬科の一般試験に落ちたのが、本当にショックで、その次の3校の試験もうまくいかず、お先真っ暗な状態になっちゃって。

６日連続で高橋先生のところに行ったのよ。高橋先生に何を言われたかは覚えていないんだけど、高橋先生のお陰で自信を取り戻すことができたの。

最後の入試、東京薬科のセンター・個別併用試験では、それまでにない位集中できて、化学は満点が取れたのよ。

そうなの。もう、高橋先生には足を向けて寝られないくらいよ！

小さな予備校なだけに、先生が１人１人のことをしっかり見てくれているのよね｡多磨ヨビに通っていなければ、合格できなかったかも知れないわ。

花子ちゃん、先生には質問しに行ってる？

それだともったいないよー。私、数学は定期テストで赤点を取っちゃうくらい苦手だったけど、高橋先生に数学の質問をしまくったら、苦手意識がなくなったよ。

私はありとあらゆる質問をしたよ。高橋先生には「どんどん質問しに来なさい」って言われていたから、多いときは１日、４～５回位行ったかな。

普通は質問した問題に答えてくれるだけだと思うんだけど、高橋先生はそれで終わりじゃなかったの。解法も1つだけじゃなくて、何パターンも一緒に考えてくれたり、夜遅くまで個人指導してくれたこともあったよ。

高橋先生は、本気でぶつかればぶつかる程、応えてくれたの。でも、これは高橋先生だけじゃなくて、水島先生も氷嶋先生も同じなの。授業だけで終わりにしたら、もったいないと思うよ。

その方がいいよ。授業もわかりやすいけど、質問に行けば、それ以上のものが返ってくるから。

私が大事にしていたのは、問題集を解いて間違えた問題を何回も解き直しただけでは終わりにしなかったことなの。

それだけでは身につかないと思うよ。なぜ間違えたのか、原因があるので、それを本番までひたすら地道に自分で分析することが大事なの。

違う問題が出たときに応用がきかないでしょ。あとは、「試験前に確認する専用のノート」を作っていたの。化学や数学の公式や、毎日の勉強の中で見つけた弱点を書き込んで、試験前に必ず見るようにしていたのよ。

第一志望に合格する鍵は、自分の弱さから決して逃げず、ひたすら地道に改善していく努力を惜しまないことだと思うの。最後まで諦めないでね。第一志望への強い意志を持ち続けていれば、きっと結果はついてくるから。