blog / 英語高3生高2・1生高卒生
2020年05月25日
多磨高等予備校、英語講師の鈴木です。
大学入学共通テストのリスニングは、配点が増え、これまでのセンター試験にはなかった新しい傾向の問題が出題される予定です。
英語の試験におけるリスニングの比重が大きくなり、不安を抱えている人も多くいらっしゃると思います。
「リスニングが苦手」
「そもそもどう勉強したらいいかわからない」
という生徒さんが多いのですが、実は意外な方法で英語が聞き取れるようになります。
その方法はあまり知られていませんが、大変効果があります。
是非参考にしてみてください。
太郎君
リスニングの勉強をしているんですけど、なかなか聞き取れるようにならないんです。
リスニングはどういう勉強をしているの?
鈴木
太郎君
CD付きのリスニング教材を聞くようにしています。
なるほど。太郎君だけでなく多くの受験生がそのようにして勉強していると思うわ。ところで、そのCDはただ聞き流すだけになっていないかしら?
鈴木
太郎君
え?そうですね、何度も繰り返し聞くようにはしていますが・・・
もしかすると、それが太郎君にとって英語が聞き取れない原因かもしれないわね。実は、リスニングの点数を伸ばすコツは、“英語の「正しい発音」を身につけること”にあるの。
鈴木
太郎君
氷嶋先生にも、リスニングの点数を上げたいなら、発音を直した方がいいって言われたんですけど、そういうものなんですか?
よくリスニングの教材などで「自分が発音できない音は聞き取れない」と書かれているものを見かけるけど、裏を返せば「発音できる音は聞き取れる」ということ。だから正しい発音を身につけることはリスニングの点数を伸ばすのに有効なのよ。
鈴木
太郎君
そうなんですか。
たとえば、日本語で「ハシ」という言葉があるけれど、「ハシ」という言葉にも意味がいろいろあるわよね。
鈴木
太郎君
「橋」「箸」「端」・・ちょっと考えただけでもこれだけありますね。
実は日本語にも「正しい発音」というものがあって、会話をするとき、自然と発音(アクセント)によって言葉を区別しているの。この場合は同じ「ハシ」でも、「ハ↑シ↓」だったり「ハシ→」だったり、アクセントが違うわよね。
鈴木
太郎君
確かに、無意識に使い分けていました。
普段はあまり意識しないのだけれど、正しく発音しないと、相手が聞き取ったときに、どの「ハシ」なのか区別がつかないことがあるのよね。
鈴木
太郎君
そういえば、関西の友達と話していて、「箸」が通じなかったことがありました。関東の「箸」と関西の「箸」はアクセントが変わっていますよね。
それは厳密には「なまり」と言うのだけれど、そんな風に言葉が通じないときは発音が関係している、ということがわかってもらえたと思うわ。
鈴木
太郎君
なるほど。
そして「正しい発音」が「正しい聞き取り」に繋がるということも、なんとなくわかったんじゃないかしら。
鈴木
太郎君、この言葉は何て言っているかわかる?
鈴木
ゲラッ
鈴木
太郎君
ん?ゲラッ???何だろう・・
「get up」よ。
鈴木
太郎君
ええっ?すごく簡単な言葉なのに。全然わからなかった・・
「get up」の発音がまさか「ゲラッ」になるとは思わないわよね。
鈴木
日本人はまず初めに英語をカタカナ読みするように教えられるので、「get up」の発音は?と聞かれたら「ゲットアップ」と答えるのが当然なの。でも実際ネイティブの発音を聞いてみると、「ゲットアップ」とはかけ離れた音が聞こえてきてびっくりするのよね。
鈴木
太郎君
そうなんです。それで、聞き取れなくて、ダメだと思っちゃう。
でも「ゲットアップ」がさっき言った「ゲラッ」という音になるように、「聞きとれない」どころか「最初からそのように言っていない」ということがよくあるの。だからなおさら「正しい発音」を知っておく必要があるのよ。
鈴木
太郎君
なるほど。正しい発音を知らないと、聞き取ることができないんですね。
ただね。ただ発音を直しただけでは、リスニングの点数を上げることはできないのよね。
鈴木
太郎君
そうなんですか。
大学入学共通テストの場合、1文を聞いて、その内容を選択する問題が出題されるの。問題が進むにつれ、文が長くなるので集中力が必要になるのよ。
鈴木
太郎君
集中力かぁ。自信がないなぁ。
そこでもう一つ、リスニングの能力を高める方法があるの。それは「音読」。
鈴木
太郎君
音読、あまりやったことないなぁ。効果はあるんですか?
実は音読をするといいことがたくさんあるの。1つは「正しい発音が身につく」ってこと。これは自分で音読をしようとするとき、読めない単語があると、どうやって読むのか調べるわよね。その時に正しい発音が身につくの。
鈴木
2つ目は「読解力を上げることが出来る」ということ。ただ、読解力が上がるといっても、いまいちピンとこないわよね。
鈴木
太郎君
そうですね、発音はわかりますけど、読解力はリスニングと関係がないような気がします。
そう思うでしょ?でもリスニングって読んで理解する問題(リーディング)が耳で聞いて理解できるかどうか、に変わっただけだから、文を読む力は当然必要となるの。
鈴木
太郎君
なるほど、そういうことなんですね。
それから、音読といっても、ただ文章を読めばいいというわけではないの。さっき言った「発音」はもちろん、意味や構造の切れ目を意識して読む必要があるの。
鈴木
太郎君
難しいなぁ。どうやってその切れ目を意識すればいいんですか?
英文の読み方を勉強している今はまだ分かりにくいわよね。じゃあ、CDのマネをしてみるのはどうかしら?
鈴木
太郎君
CDのマネですか?
そう。太郎君は、リスニングの勉強としてCDを活用していると言っていたけど、CDから聞こえてくる音声のマネをしてみるの。
息継ぎをするところや、アクセント・イントネーションなど、細かいところまで真似てみるといいわよ。
鈴木
太郎君
なるほど!それなら、正しい発音も身に付けられそうですね。
ちょっとした勉強の合間にやってみると息抜きにもなっていいわよ。ぜひやってみてね。
鈴木
鈴木講師の「発音矯正講座」は、一対一の個別指導で対応しています。