うん。部活は土日もあって、オフが週１だけだったからね。

俺も本当は選手権までやろうと思っていたんだけど、途中から受験に専念したくなってね。部活は７月で辞めたんだ。

夏で部活を引退して受験に専念する人が多いから、さすがにあせっちゃってね。

とにかく今は、限られた時間を有効に使って勉強するしかないよね。俺は部活が終わったら、疲れていても塾の自習室に行くって決めていたんだ。

それと、オープンキャンパスに行くのもおすすめだよ。池袋のキャンパスを見たことで、絶対に立教に行きたいと思ったんだ。それがモチベーションを上げることに繋がったと思うね。

俺は共通テストを使ったよ。実は10月の英検に落ちちゃってね。見るのはスコアだから関係ないんだけど、この成績じゃとても戦えないと思ったので、そこからめちゃめちゃ共通テストの勉強をしたんだ。

そうなんだよ。実は最後の共通テスト模試でリスニングが50を下回っちゃって、これはヤバいと思ったね。

英検が取れていれば、数学と物理にベクトルを向けられたんだけど、共通テストで戦うしかないからね。

ただ、他の大学でも共通テスト利用を使うつもりだったから、高得点が取れるように頑張ったよ。リスニングは最後の最後までずっとやっていたね。

まぁ、結果的に共通テストはうまくいって、リサーチでも今まで取ったことがない位の判定が出たので、もっと上の大学に出しておげば良かったと思ったよ。

日大は共通テスト利用で受かったよ。でも、芝浦の方が先に結果が出ていたので、精神的にはあまり関係なかったね。

俺も物理は苦手で、偏差値40からのスタートだったんだ。

２つの参考書を、徹底的にやり込んだんだよ。

１つは学校で配られた「リードα」という参考書で、これだとMARCHには物足りないので、もう１つ上の「重要問題集」、この２つを並走してやっていたんだ。

いろいろなものに手をつけたくなると思うけど、これって決めたものを何周も回した方がいいと思うよ。

物理に限らず、他の教科でも同じだよ。志望校合格に足りるレベルの参考書を、網羅するくらいまでやるのが良いと思うよ。

実際に受けてみた印象は、とにかく時間がないっていうこと。ゆっくり解いていたら、英語や世界史、数学は見直しをする時間がなくなっちゃって。

難易度はそれ程高くないけど、問題数が多いから解くスピードを上げるようにした方が良いと思うよ。

英語の長文問題も難しくはないけど、文章量が多いからどんどん解いていかないと間に合わなくなっちゃうかも。

共通テストのリスニングは登場人物が４人になったりするし、１回読みの問題もあるからね。

リスニングは、基本的に学校の勉強で対策していたんだけど、通学のときに、音声をバスや電車の中で聞くようにしていたかな。

リスニングばかりに時間をかけるわけにはいかないから、通学時間を有効活用しようと思ったの。

あと、先生に音読をした方がいいと言われていたので、音読は結構やっていたかな。

私は元々、国立志望だったので、ほとんど共通テストメインで勉強していたの。私大の赤本を解いたのは、共通テストが終わった後かな。

でも、さすがにちょっと遅すぎたと思う。正直なところ私大に関してはかなりヒヤヒヤしたんだ。

法政もあまり手ごたえを感じられなくて、ダメなんじゃないかと思っていたの。結果的に合格していたから良かったけど。

基本的には第一志望合格に向けた勉強をするべきなんだろうけど、併願校の対策もしておかないと、失敗した場合、どうしようもないからね。

国公立志望の場合、１月は共通テスト対策に時間を使いたいと思うの。でも、共通テストから私大の受験日まではそんなに時間がないから、12月には一度、私大の赤本を解いて、どんな問題が出るか知っておいた方が良いんじゃないかな。

私は共通テストの英語と数学で思うような結果を出せなかったの。

共通テストには賭けていたので、正直ものすごくショックだったな。

でも、高橋先生に「終わったことを気にしないで、やるべきことをや
りなさい」って言われたの。　「確かにそうだな」と思って、私大対策に切り替えることができたのは良かったかな。

ただ、それまで私大対策に重点を置いていなかったので、かなり焦ったけどね。浪人はしたくなかったし、時間はないし、落ちこんでいる暇はなかったというのが本当のところかな。

共通テスト対策で、基本を押さえられていたというのもあるかな。ただ、併願対策もしっかりやっておいた方が良いよ。

リスニングはどういう勉強をしているの？

なるほど。太郎君だけでなく多くの受験生がそのようにして勉強していると思うわ。ところで、そのCDはただ聞き流すだけになっていないかしら？

もしかすると、それが太郎君にとって英語が聞き取れない原因かもしれないわね。実は、リスニングの点数を伸ばすコツは、“英語の「正しい発音」を身につけること”にあるの。

よくリスニングの教材などで「自分が発音できない音は聞き取れない」と書かれているものを見かけるけど、裏を返せば「発音できる音は聞き取れる」ということ。だから正しい発音を身につけることはリスニングの点数を伸ばすのに有効なのよ。

たとえば、日本語で「ハシ」という言葉があるけれど、「ハシ」という言葉にも意味がいろいろあるわよね。

実は日本語にも「正しい発音」というものがあって、会話をするとき、自然と発音（アクセント）によって言葉を区別しているの。この場合は同じ「ハシ」でも、「ハ↑シ↓」だったり「ハシ→」だったり、アクセントが違うわよね。

普段はあまり意識しないのだけれど、正しく発音しないと、相手が聞き取ったときに、どの「ハシ」なのか区別がつかないことがあるのよね。

それは厳密には「なまり」と言うのだけれど、そんな風に言葉が通じないときは発音が関係している、ということがわかってもらえたと思うわ。

そして「正しい発音」が「正しい聞き取り」に繋がるということも、なんとなくわかったんじゃないかしら。

太郎君、この言葉は何て言っているかわかる？

ゲラッ

「get up」よ。

「get up」の発音がまさか「ゲラッ」になるとは思わないわよね。

日本人はまず初めに英語をカタカナ読みするように教えられるので、「get up」の発音は？と聞かれたら「ゲットアップ」と答えるのが当然なの。でも実際ネイティブの発音を聞いてみると、「ゲットアップ」とはかけ離れた音が聞こえてきてびっくりするのよね。

でも「ゲットアップ」がさっき言った「ゲラッ」という音になるように、「聞きとれない」どころか「最初からそのように言っていない」ということがよくあるの。だからなおさら「正しい発音」を知っておく必要があるのよ。

ただね。ただ発音を直しただけでは、リスニングの点数を上げることはできないのよね。

大学入学共通テストの場合、１文を聞いて、その内容を選択する問題が出題されるの。問題が進むにつれ、文が長くなるので集中力が必要になるのよ。

そこでもう一つ、リスニングの能力を高める方法があるの。それは「音読」。

実は音読をするといいことがたくさんあるの。１つは「正しい発音が身につく」ってこと。これは自分で音読をしようとするとき、読めない単語があると、どうやって読むのか調べるわよね。その時に正しい発音が身につくの。

２つ目は「読解力を上げることが出来る」ということ。ただ、読解力が上がるといっても、いまいちピンとこないわよね。

そう思うでしょ？でもリスニングって読んで理解する問題（リーディング）が耳で聞いて理解できるかどうか、に変わっただけだから、文を読む力は当然必要となるの。

それから、音読といっても、ただ文章を読めばいいというわけではないの。さっき言った「発音」はもちろん、意味や構造の切れ目を意識して読む必要があるの。

英文の読み方を勉強している今はまだ分かりにくいわよね。じゃあ、ＣＤのマネをしてみるのはどうかしら？

そう。太郎君は、リスニングの勉強としてＣＤを活用していると言っていたけど、ＣＤから聞こえてくる音声のマネをしてみるの。
息継ぎをするところや、アクセント・イントネーションなど、細かいところまで真似てみるといいわよ。

ちょっとした勉強の合間にやってみると息抜きにもなっていいわよ。ぜひやってみてね。

太郎君、文法は何のために必要なんだと思う？

そうだね。文法の用途を2つに分けると、
　　１．表現するため
　　２．理解するため
ということになる。

大学受験の文法も、「表現するための文法」と「理解するための文法」の2つから出題されるわけだ。

実は「表現するための文法」は、中学校3年間でほとんど終わっているんだよ。

そう。そして、大学受験の文法は、「表現するための文法」が60～70％、「理解するための文法」が30～40％、この位の割合で出題されているんだ。

そういうこと。文法に苦手意識があるのなら、中学校で習う文法を総復習してみると良いんだよ。

今年の受験生の話なんだけどね。その生徒が1年生のとき、個別指導塾の先生に、ある学習動画配信サービスの講座を夏休みにやるように言われたらしいんだ。

指定された講座は、その学習動画配信サービスの中で最も有名な講師のもので、内容は高校3年間の文法だった。

ところがその生徒は、講座を終わらせることができないまま、２年生になってしまったんだよ。

２年生になって何とかその講座を終わらせて、英文解釈や長文読解の勉強に入ったんだけど、模試の成績が全く伸びなかったんだ。

その生徒は悩んだ挙句、中学英語の知識に穴があるんじゃないかと思って、中学校の文法からやり直したんだ。

そうしたら、高校入学時の成績は下から数えた方が早かったのに、学年トップになってしまったんだよ。

英語に苦手意識がある人や、勉強しているのに成績が伸びないという人は、中学校の知識を疑ってみて欲しいんだ。

中学の英語が完璧な人は、そうたくさんはいないよ。「高校生が中学の勉強をするなんて・・」と思うかも知れないけれど、全然恥ずかしいことじゃないんだよ。

英語が苦手な人に共通する特徴は、以下の3つだ。
　　１．語彙が足りない
　　２．文法がわからない
　　３．国語ができない
ということになる。

英語の苦手意識をなくす鍵は「単語」と「文法」にあるんだよ。「単語」や「文法」がわからなければ、読めないし、書けないし、聞いてもわからないだろう？

どんなに入試傾向が変わっても、始めにやることは「単語」と「文法」だよ。
スポーツだって足腰が弱ければ戦えないからそれと同じ。
まず、今日は新入試対策に必要な単語の勉強法を話すね。

太郎君はどんな風に単語帳を使っているの？

1つの単語につき、1つの訳を覚えているってことだね。
でもそれは、意味を覚えているんじゃなくて、訳語を覚えているだけだよ。

じゃあここで問題。
「offer」という単語があるけれど、この単語の意味は？

「provide」は？

「offer」と「provide」の違いを言える？

それはつまり、意味を覚えているんじゃなくて、訳語を覚えているってことなんだよ。

「offer」は、「「こちらはいかがですか？」と提案する」という意味」なんだ。
例えば、「18歳以下にアルコールを提供する」・・なんてことはやってはいけないことだけれど、「offer」はそんなマイナスの意味にも使えるんだ。

それに対して、「provide」は、「相手に必要なものを与える」というプラスの意味がある。

「提供する」と訳せる他の単語に、「supply」というのがあるけれど、これは、長期間provideするってこと。
似た言葉でサプライヤーとかサプリとかあるけど、サプリは長期間体に与えないと効果がないものだよね。

「単語の「正しい意味」がわかっていないと、「リーディング」「リスニング」「ライティング」「スピーキング」すべてに影響してしまうんだよ。
偏差値65の壁を越えたいならまずはここからだね。

ここまでは今までの入試にも要求されていたこと。
更に、新入試に必要なものとしては「発音」がある。

「発音」単独の出題はなくなったけど、「発音」がわからないと「リスニング」ができないんだ。

前回、話した通り、大学入学共通テストのリスニングには「イギリス英語の発音」が追加される。
イギリス英語は、アメリカ英語と違って、発音に濁りがない。
だから、「発音」の勉強は必要なんだよ。

リスニングの教材を聞いているだけでは無理だ。
「自分の発音」を直すのが一番早いよ。自分の発音を直せば、聞こえるようになる。多磨ヨビでは発音矯正を個別でやっているので、興味があったら受講してみて。

そして、もう1つ重要なのは「反意語」だ。
「美しい」の反意語は何だかわかる？

「醜い」だよ。
反意語を聞くと答えられない受験生は多いね。
ただ、反意語がわからないと、英文を読む上で致命的なんだよ。
英語圏の人は、真逆のものを比較するのが好きだからね。

まずは単語帳の訳語を覚えるところから始めてみてはどうだろう？
例年、４月に入校してきた高卒生を見ても、訳語さえ十分に覚えていないケースが多いからね。

問題点が多かったから、見送りになったのは良かったね。
だけど、大学入学共通テストは、センター試験と比べると内容はかなり変わるし、難易度も上がるから、舐めてかかると大変だよ。

センター試験と大学入学共通テストとの違いは、大きく分けると以下の5つになるんだ。

まず、センター試験と大学入学共通テストの英語の配点は
以下のようになる。

しかも、センター試験のリスニングは、すべての問題が２回聞けたけれど、大学入学共通テストでは、１回しか聞けない問題も出てくるんだ。

筆記はリーディングに変更になる。
発音、文法、語法という知識問題がなくなって、すべて長文読解になるんだ。

そう。
文法や語法は、単独での出題はされないけれど、
文法がわからなければ、文章は読めないからね。
長文読解には基礎が大事なので、今まで以上にしっかりと勉強しておく必要があるね。

そして設問はすべて英語になり、図やグラフが多く出題されるようになる。
「概要や要点を把握する力」や「必要な情報を読み取る力」が要求されるということだね。

高三生、高卒生含めて、グラフの問題が苦手な人は多いね。

リスニングは配点が大きくなるだけじゃなくて、イギリス英語が含まれるようになるんだ。
今まではアメリカ人同士の会話だったけれど、「日本人の発話」と「イギリス人の発話」を聞き取る問題が出題されるようになるんだ。

アメリカ英語とイギリス英語では、「単語の発音とつづりが異なる」場合があるんだ。たとえば、center という単語は、イギリス英語では centre になるんだよ。

まずは、単語帳を新しいものに変えることだね。
古い単語帳には、イギリス英語が載っていないことがあるからね。

「新入試対応」と書いてあるものなら間違いないよ。

そして、大学入学共通テストでは、「当てはまるものをすべて選べ」というような複数選択の問題が出題される。

試験は変わるけれど、結局のところ、今までの勉強法と変わるかといえば、そんなことはないよ。
センター試験も大学入学テストも基礎が大事。
次回は、新入試対策のための具体的な勉強法を詳しく話すね。

やぁ、花子さん、模試の成績、上がってきているね。今まで頑張ってきた甲斐があったね。

そうかぁ。そりゃあ、不安だよね。

それで今日は自習室で勉強していたんだね。当校の自習室は365 日年中無休で空いてるから、いつ来てもらっても構わないよ。

その選択は正しいと思うよ。今は推薦で合格した人が羨ましいでしょう。
でも、行きたくない大学に入っても、結局は後悔するんじゃないかな。一旦は大学に通ったものの、また翌年、予備校に通って再受験する人も結構いるんだよ。

例年、B判定でもC判定でも結構受かってるよ。
今、私大が全体的に難化しているのは事実だけど、A判定じゃないと受からないということはないよ。

Ａ判定というのは、「合格可能性が８０％以上ありますよ」ということなんだよ。
Ｂ判定で６５％、Ｃ判定だと５０％という具合に合格可能性が低くなっていくわけだけど、Ａ判定でも20%は不合格になる。
私大定員厳格化の影響で、Ａ判定でも落ちるようになってしまったと捉えている人もいるけれど、そういうわけじゃない。
昔から、Ａ判定でも不合格だった人はいたんだよ。

それはA判定がいつのものだったのかにもよるし、毎回A判定だったのか、たまたまA判定だったのかでも違う。
マーク模試は良くても、記述模試はダメだったのかも知れないし、状況を詳しく聞いてみないとなんとも言えないね。

花子さんは、どうしても明治大学に行きたいんだよね。
だったら、早稲田大学用の問題集は必要ないよ。
その問題集をやる余裕があるなら、早稲田大学も受けた方がいい。

そうだよ。大学によって出題傾向が違うからね。
早稲田大学レベルの問題が解けるようになったとしても、明治大学で出ない問題なら明治大学の合格可能性は低くなってしまう。
それより明治大学で出そうな問題を解けるようにした方が、合格可能性は高くなるよ。

それもあるかも知れないね。
模試ではＡ判定でも、実際に過去問を解いてみたら、苦手分野の出題が多くて合格最低点に届かなかったということは良くあるよ。
大学の入試傾向も知らずに挑んだら、Ａ判定だったのに・・ということは起こり得る話だよね。
敵を知るのは、とても大切なことなんだよ。

そうだね。
これからは明治大学の入試傾向をつかんで、それに合った勉強をしていくのが良いね。

ただ、現段階でB判定ということは、まだどこかに穴があると思うよ。
できなかった問題は弱い部分だから、基礎に立ち返って復習することが大事だね。

第一志望に合格している人には、3つの共通点があるんだ。
知りたいかい？

まず1つ目だけど、合格する人は、その大学に絶対合格したいという強い思いがあるんだ。
たとえ今、C判定だったとしても決してあきらめなければ、最後の最後で成績が伸びたりするんだよ。
特に現役生はね。

逆に滑り止めの大学に合格して安心しすぎてしまうと、肝心な第一志望の試験で失敗してしまうこともある。
やはりなんとしてでも、第一志望に受かってやろうという気持ちが大事だね。

そして、もう1つはさっきも言ったけど、過去問で入試傾向をつかんで、志望校に合った対策をしていくことだね。
絶対合格したいという気持ちは大切だれど、実際の入試問題に対応できる準備をしておかないとね。

そして3つ目は、試験に行かないと受からないということだよ。
お金と体力とメンタルが続くなら、たくさん受験した方が合格の確率は上がるよ。
今は同じ大学、学部でも何度でも挑戦できるからね。

8つ受けて早稲田だけ合格したという人もいるし、3つ受けて法政だけ合格した人もいる。
実際の学力はそんなに大差がなかった。
同じ学力でも、入試方式や試験日によって合否が変わったりするので、受験校選びも重要だけどね。